後悔しない購買をするための考え方
何かを買うとき、多くの人は考える。本当にこれでいいのか、本当に間違っていないか、後でやっぱりいらなかったとならないだろうか、など、何を考えるかは人それぞれだ。しかし、誰しもが共通して思うことは、「後悔したくない」であると私は思う。
後悔しない買い物をするにはどうしたらよいのか、私なりの考え方を、備忘録も兼ねて書き記していこうと思う。
まず、根幹となる考え方が「絶対的な指標」と「相対的な指標」だ。
絶対的な指標は1つだけで、買うためにかかる金額がいくらであるか、ということだ。これを「絶対的な消費金額」と呼ぶことにする。
一方、相対的な指標は3つある。
1つ目に、買おうとしているものが、それと全く同じもののと比べてどれくらい安いか、ということだ。例えば、A店にパソコンのパーツが10000円で売られているとして、B店には同じメーカーの同じ型番のものが8000円で売られているとすると、相対的にB店のほうが安いことになる。このような相対的な指標を、他との区別のために便宜上「同様品との相対性」と呼ぶことにする。
2つ目に、買おうとしているものとは違うが、ほぼ同じ性質を有しているものと比べて、どれくらい安いか、ということだ。先ほどのB店における8000円のパソコンパーツとは異なるメーカーのものだが、全く、あるいはほとんど同じ性能を持っている別のメーカーのパーツが6000円であるとすれば、相対的に6000円のパーツが安い。このような相対的な指標を「同等品との相対性」と呼ぶことにする。先ほどの「同様品との相対性」と似ているが、一文字違うので気を付けてほしい。
3つ目は、買おうとしているものが、その人にとってどれだけの付加的な価値があるか、ということだ。ブランド、シリーズ、色、デザインなど、人によって好みが変わる部分については、プラスにもなればマイナスにもなる。先ほどの6000円のパーツのメーカーが好みではない人には、8000円払っても高いほうのメーカーのものを買う価値がある、ということだ。これを「付加価値の相対性」と呼ぶことにする。
ところで、最後の「付加価値の相対性」だけ、指標ではあるものの、無限大に大きくもなれば小さくもなりうることに気が付いただろうか。最初の「絶対的な消費金額」は、絶対的な払うお金の金額であるため、言うまでもなく有限だ。次の「同様品との相対性」と、「同等品との相対性」も、比較対象がある以上、差は有限である。しかし、人によって好みが変わる「付加価値の相対性」は、好き嫌いによっていくらでもプラス、またはマイナスに働く。
以上の「絶対的な消費金額」、「同様品との相対性」、「同等品との相対性」、「付加価値の相対性」、「付加価値はいくらでも上下しうるということ」の5点を考慮しつつ読み進めてほしい。
ものを買うとき、考慮する順番としては、まず「絶対的な消費金額」が一番最初に来るだろう。貯金が1万円しかないのに、10万円のパソコンパーツを買うことはできないからだ。もっとも、お金を借りたり、ローンを組んだりして手が届くように図らうこともできるだろうが、話が紛らわしくなるうえに極めて限られた状況であるため、ここでは考慮しないこととする。
次に「付加価値の相対性」だ。安くても嫌いな色や、嫌いなブランドのものを買う人はいないと思う。
3番目に「同等品との相対性」が考慮されるだろう。同じくらいの品質、性能のものでもっと安いものはないか、それを次に考えるだろう。
そして「同様品との相対性」が4番目に来る。これと同じ型番ものは他のお店ではいくらで売られているのか、価格comなどを見て調べたことがある人が大半であると思う。
最後にもう一度「付加価値の相対性」が来る。好きなブランド、好きなメーカーであっても、本当にこのシリーズや、この色、このデザインでいいかどうか、買う前にもう一度悩む経験をしたことがある人は多いと思う。
いうまでもないが、これは一例だ。ずっとほしかったものであれば、金額よりも付加価値を最初に考えることはいくらでもあるし、10万円する高いパーツでも、本来定価が100万円するものであれば、絶対的な金額など考えずに、同様品との相対性のみを考慮してすぐに買う人もいると思う。
個人的には、この順番で考えると整理しやすい、というだけなので、読んでいるみなさんによって順番は各自並び替えてもらって構わない。
具体例を挙げよう。
新しいパソコンが欲しい、と考えた人がいるとする。まず「パソコン 新品」などと検索し、いろいろな製品がヒットする。そうすると、いろんな性能のものがあることに気がつき、その人は自分の用途であればどれくらい必要なのかを調べたとしよう。その時点で、買えない金額のものは除外される。つまり「絶対的な消費金額」が考慮されている。
そしてそれに基づき、必要な性能のパソコンを検索すると、いろんなメーカーのものが出てくる。その中からメーカーごとの特徴などを調べ、いくつかの候補に絞る。候補を絞る時点で、色やデザインなどの個人の好みが反映されるため、1回目の「付加価値の相対性」が考慮される。そして同じスペックであっても、メーカーごとの特徴の違いがあるため「同等品との相対性」が考慮されている。
さて、めでたくほしいモデルが決まったとしよう。次に行うのは、同じ型番でもっと安い販売店がないかを探すことだ。型番で調べたり、価格comなどで調べ、安いところを探す。「同様品との相対性」が考慮されているのだ。
最後に、購入ボタンを押す前にもう一度製品のスペックや外観を見て、納得したり、逆にやっぱりこっちのほうがいいかも、となったりする。2回目の「付加価値の相対性」の考慮だ。
だが現実には、選択肢が多かったり、どれにしようか迷い決めることができなかったりと、なかなか簡単ではない。1→2→3→2→3→2→3→4→5のように、何度も何度も比較検討を繰り返し、納得のいく答えを出している人が大半だろう。
中には深く考えない人もいるだろうが、無意識的に上のプロセスを踏んでいると思う。
結局、自分に必要な性能はどれくらいか、同じような製品がどれだけあるかを調べることにどれだけ時間をかけるかが、人によって大きく異なるポイントだろう。
私はかなり時間をかけるタイプだ。パーツ1つを買うのに、1か月悩むこともあるほどに。この記事を書きながら自分の中で考えをもう一度整理し、後悔しない買い物ができるようにいろいろと考えている。同じように悩んでいる人がいれば、少しでも考えを整理する手助けになればうれしい。
Enterprise HDD 市場傾向 2020/05/09
さて、初めての試みではあるが、Enterprise HDDを日頃から調べている身として、大まかな市場傾向や価格の推移について簡単にまとめ、購入を検討している方々の手助けになればいいと思い、このレポートを記す。果たして需要があるかどうかすらわからないが、とりあえずは気が向いたタイミングで書こうと思う。
Enterprise HDDの定義だが、HGST(WD) Ultrastar、Seagate Exos、Toshiba MGシリーズなど、サーバー向けHDDとして区別されているHDDが中心となる。
コンシューマー向けのSeagate Barracuda、WD Blue、Toshiba DT01ACA、MD、NAS向けのWD Red、Seagate Ironwolf、Toshiba MN、監視カメラや録画向けのWD Purple、Seagate Skyhawk、Toshiba MD-V、DT-Vなどに関しては、基本的に触れない。これらの民生向けHDDは、Akiba PC Hotlineさんなどが、大手PCショップの価格推移について、すでに記事を出しているからだ。
また、Red ProについてはGoldよりも高いため、Goldについては、大容量モデルはUltrastar DCシリーズがベースとなっており、基本的なスペックは全く変わらないため、そして基本的に流通量が少なく割高なため、積極的に触れることはしない。
SATA 7200 3.5インチの新品、もしくはメーカーRefurbish品のHDDを中心とし、中古品や、SASや2.5インチモデルの流通が限られているモデルについては、基本的に記載しないことも断っておく。
では、前置きはこの辺にして、さっそく始めよう。
まずは本日、5月9日、コロナウイルスの影響で自社フルフィルメントセンターからの国外配送を中止していたアメリカのAmazon.comが、Global Priority Shippingに限る、数日遅れが出る恐れがあるという部分制約付きで、国外への配送を再開したようだ。これまでは商品を検索しても価格が表示されなかったが、とりあえずは元に戻ったようだ。
そして、時をほぼ同じくして、newegg.comにおいて、一部HDDの国外配送制限がかかり始めたようだ。5月7日時点では問題なかったのだが、昨日5月8日から徐々にOut of StockのHDDが増え、商品ページではIn Stockであったとしても、Checkout、つまりレジのページに行くと、「この商品は在庫切れです」となり、注文することができない。
この件についてneweggに問い合わせたところ、国際配送用の在庫がなくなっているが、商品ページに在庫状況が反映されていなかったとの回答だった。しかし、1つのモデルの在庫が切れたのならわかるが、複数のベンダー、それも確認できただけでも10モデル以上のHDDが同時に在庫切れを起こすことはまずないはずだ。よって私は、日本だけでなく、海外配送に制限がかかっているカテゴリーがあるのだと推測する。取り急ぎ、WD Red、Red Pro、Purple、HGST Ultrastar、Seagate Exos、Toshiba MGにおいて、配送制限を確認した。
なお、Amazon.comと同じく、neweggの販売・発送するものに制限がかかっているのであって、モデルによっては、国際配送に対応する別の出品者から買えることもあるが、基本的に割高になるため、ebayや国際配送を再開したAmazon.comから買うのがいいだろう。
さて、それでは価格推移についてだ。まずはECサイトごとの傾向に触れておく。
Amazon.comは在庫状況が不安定で、モデルによっては入荷待ちのものも見受けられた。Amazon.com販売・配送のものは少なく、マーケットプレイス出品者が販売・Amazon.comが発送するものが大半を占めていた。価格は全体的に安く、現行品であれば、基本的にほかのECサイトに比べて大きく価格差が開いているものはない。何かあったときのカスタマーサポートも含め、堅実であるといえるだろう。
ebayも基本的にはAmazon.comと誤差程度の価格差しかない。何かあった際にメーカー保証を受ける場合、購入証明として有用なのは、ebayよりもAmazon.comであることは言うまでもないため、どちらを選ぶかはその人によって判断が分かれそうだ。ただし、ebayで気を付けてほしいのは、Global Shipping Programの有無だ。Global Shipping Programについては、ebayのGlobal Shipping Programの問題点 - TLC’s Archivesで詳しく記しているため、参照してもらいたい。
それでは、前置きが長くなったが、Ultrastarの価格推移から見ていこう。
DC HC310などの小容量モデルは、おおむねebayが少し安い傾向にある。Amazon.comとの差は1000円~2000円で、どちらから買っても問題はないだろう。
一部の7K4000や7K6000などは、ヤフオクやメルカリにかなり安い価格で売られていることがあるため、掘り出し物を見つけたのなら買ってもいいだろう。例えば、私はこの前、DC HC310の4TB x2つを、18500円で落札できた。容量単価は2315円と、民生向けHDDとほぼ変わらない金額でエンプラHDDを入手できた。
DC HC500番台のヘリウム入り大容量モデルは、1TBあたり30ドル~と、全体的に容量単価が割高になっている。おそらくコロナウイルスが影響していると思われるが、同容量のSeagate Exosより約10%前後高い。
Seagate Exosは、10TBのST10000NM0086が、ebayでかなり安く売られている。イスラエル発送のため、届くまでどれくらいかかるかはわからないが、新品で容量単価は1TBあたり25ドルと、Amazon.comで売られている、Refurbish品のST12000NM0007(1TBあたり24.845ドル)と同等レベルにある。
そのほかのモデルは、容量単価が1TBあたり26ドル~29ドルとばらつきがあるが、全体的にUltrastarより安価で、コロナウイルス流行以前との価格差もほぼない。Exos 7E8の、型番に「A」が付く新しいモデルは、neweggが全体的に安価だったが(とは言っても容量単価は1TBあたり35ドル~と割高)、もはや在庫切れのオンパレードで、転送屋を通さずに買うことは望めないだろう。
ToshibaのMGシリーズは国内で買う方が基本的に安い。MG06ACAシリーズは国内が最安だ。MG07ACAシリーズは国内よりもneweggが安かったが、前述の理由により入手できないため、在庫が回復するまで待つか、国内で買うしかないだろう。MG07ACA12TEは国内とneweggとで約3000円ほどの価格差がある。また、MG07ACA14TEや、MG08ACA16TEは国内での取り扱いが非常に少ないため、これもneweggの在庫が戻るまで待った方がいいだろう。
ヤフオクではRed Proの4TBや7K4000の4TB、Goldにマイナーチェンジする前のWD Re 2TBモデル、Blackの2TBモデルなどの未開封Refurbish品が、同じ出品者から比較的安い値段で出品されているため、気になる方は調べてほしい。
また、SeagateのExosも、4TB、8TB、10TBの未開封Refurbish品の出品がある。
さらに、WD Goldも定期的に1TBモデルの6本セットが出品されているため、定期的にチェックしてみるのもいいだろう。もっとも、3.5インチのサイズで1TBというのは、少し容量密度が低い気もするが...
さて、本日はこの辺で終わりにしようと思う。次にいつこのシリーズの記事を書くかはわからないが、誰かに役立てばうれしい限りだ。
ebayのGlobal Shipping Programの問題点
ebayのGlobal Shipping Program(以下GSP)は、簡単に言えば、アメリカ国内からebayの配送拠点に荷物がまとめられ、そこから各国に出荷されるという、ebay独自の配送システムだ。
出品者は国内に荷物を送ればいいため、めんどくさい通関書類を書く必要がなく、購入者は購入時に関税を支払うため、商品が届いた際に現金で関税分を支払う必要がない。
さて、このGSPの何が問題かというと、配送にかかる日数と、関税だ。
まず出品者から、ebayの配送拠点があるアメリカのケンタッキー州、アーランガーに向けて荷物が発送される。そして配送拠点へ荷物が到着した後、1日~2日ほどでebayの配送拠点から、FedEx International Economyにて日本に向けて出荷される。つまり、アメリカ国内の配送、ebay配送拠点での処理、ebay配送拠点から日本への発送と、実に3度手間であり、おおよそ10日前後も配送にかかるのだ。最近はコロナウイルスの影響で、さらに追加で数日はかかるだろう。
さらに、Amazon.comと同じく注文時に関税分も取られるのだが、個人輸入に対する課税価格の軽減が適用されず、商品価格に対してフルの関税を取られる。Amazon.comであれば、実際にかかった分との差額を1か月後とかに返してもらえるが、ebayではそれがない。個人輸入では商品価格に対してx0.6をした金額が課税対象となる。1万円未満の輸入物は免税となるため、商品価格が16666円以下の場合、免税となるのだ。しかし、ebayのGSP利用時は、この減免措置が考慮されず、一般的な商用輸入と同じく、商品価格+送料に対して課税されるものとみなされる。
例えば、1.5万円の商品を輸入する場合、本来であればかからない関税を取られることになるのだ。さらに、x0.6の効果は商品金額が大きくなればなるほど無視できないものとなっていく。
よって、少し高いが、GSPを使っていない出品者から購入したほうが、トータルで安く済む場合がある。
例えば先ほどの1.5万円の商品を、1.6万円で出品している別の出品者がいるとしよう。その出品者は、最初からFedEx International Economyにて発送するとすると、関税はかからず、さらに、無駄なアメリカ国内からebay配送拠点への輸送がなくなるため、おそらく届くまでの日数は半減する。
よって私は、基本的にGSPを避けている。まあ、使わざるを得ない場合もあるが...
OnePlus 7TのVoLTE有効化でハマった話
OnePlus 7Tは中国のスマホで、安く性能が高いことが特徴だ。もともと使っていたXperia XZ Premiumが突然故障したため、代替機としてebayから購入した。
基本的に値段も安く優秀なデバイスなのだが、VoLTE周りだけは厄介で、いくつかあるモデル(CN/IN, NA, EU)の、もともと想定された通信キャリア以外、つまり私のように、CN/INモデルを購入し日本で使う場合などに、VoLTEが使えないようにサービスが走っているらしい。どうせならVoLTEは使いたいし、そのような設定になっていること自体がいらいらする。
VoLTEを有効化する方法は様々なサイトで紹介されているためここでは割愛するが、手順通りに実行してもQPSTとPDCがデバイスを認識してくれず、かなり手間取ったため、同じような事態になった方への道しるべとして、この記事を記すこととする。
私の場合、という但し書きは付くが、デバイスマネージャーを見る限り、USBで接続してもOnePlus 7TがQPSTやPDCに認識されないのは、COMポートのドライバーが正しくインストールされていないことが原因らしい。USBで接続されたOnePlusとPCは、COMポートを経由して通信を行う。そのため、Qualcomm HS-USB Diagnosticsドライバーが必要なのだが、どこにも表示されていない。
また、*#801#から入るEnginnerModeの「Serial」も、タップしてもEnginnerModeのアプリが落ちてしまい有効化できない。どうやらこれは有効化しなくてもいいようなので、「Full-port switch」のみOnにしたが、結果的に問題はなかった。
さて、ネットで検索すれば上記のCOMポートドライバーは簡単に見つかるのでそこまではいいのだが、私が落としたものはドライバーの証明書がちゃんとしていなかったらしく、インストールはできたものの、しばらくすると署名が無効という警告が表示され、使用できない状態になった。
そのため、一回当該デバイスをアンインストールし、Shiftキーを押しながらスタートメニューから再起動。トラブルシューティング→詳細オプション→スタートアップ設定から再起動し、ドライバーの強制署名をオフにして起動する。再起動後、OnePlusを接続し、デバイスマネージャーからハードウェアの変更スキャンを実行すると、無事に認識された。
あとはほかのサイトで紹介されているように問題のサービスを無効化し、消し、必要なサービスを有効化したのちにActiveする。再起動するとしっかりVoLTEが有効になっていた。やったぜ。
私はDocomo回線だが、VoLTE-CUを有効化しただけでVoLTEが使えるようになった。場合によってはSpain_VoLTE_VodafoneやIndia_VoLTE_Vodafoneを有効にしないといけない場合もあるようなので、まずはVoLTE-CUを試してみて、駄目ならそっちを試すといいと思う。Indiaのほうは有効にするとSMSの受信ができなくなるらしいのでお気を付けを。
ちなみにSub0がSIM1、Sub1がSIM2の設定らしいので、複数のSIMを入れている方はそのSIMのキャリアによってVoLTE-CUだったりSpain_VoLTE_Vodafoneだったりにする必要がある。キャリアによってはAPNをいじる必要もあるようだが、詳しくないためここでは不用意に触れないようにしておく。
あーめんどくさい、なんでこんな仕様なのかなぁ...
TOSHIBA (KIOXIA) XG6 1TB NVMe SSD レビュー(?)
この度、下記の事情によりebayからTOSHIBA MEMORYもといKIOXIAのNVMe SSDである、XG6を購入したので、レビューをしようと思う。
自宅のDL380 Gen10には、標準添付のプライマリーライザーに2つのM.2スロットが付いており、現状はWD BlueのSATA 500GBのみを刺して使っている。
しかし、そのディスクはESXiのOS用ディスクとして使用済みであり、またフロントベイにある8つのSAS 15K HDDはRAID6を構成してファイルサーバーのディスクとして使用している。
Nutanixをはじめ、様々なハイパーバイザーを試したいとずっと思っていたのだが、物理的なディスクが足りない。
ESXiはすでに環境が構築済みであり、これを消すこともまた躊躇われる。
よって、高速かつ大容量なNVMe SSDを購入したいと思い、ebayやneweggをはじめ各サイトを徘徊し、よさそうなものを調べた。
これまで私はSamsungのSSDを主に使っており、現在自作機には960EVO、THINKPADには970EVO Plusが刺さっている。そのため少し別のメーカーのものを使いたいとずっと思っていた。
したがってSamsungはまず除外し、WD、TOSHIBA(KIOXIA)、可能性は薄いだろうがMicronも一応候補に入れ、海外サイトを漁った。
パフォーマンスだけを追求するならそれこそ970EVO Plusでも買えばいいので、今回は性能至上主義ではなく、コストパフォーマンスや使ってみたいかどうかを判断基準にし、選定を行った。
その結果、1TBのものではこのXG6が最安レベルに安く、性能も悪くなさそうだ。TOSHIBAのSSDはOEMでのみ流通しており、メーカー製PCからの抜き取り品以外、基本的に入手することはできない。希少性、コスパ、好奇心によりXG6を買うこととなった。
ebayで「XG6 -512GB -256GB」と検索ボックスに入力し、数日間売れ行きや価格の傾向を見る。わざわざ512GBと256GBを明示的に除外するのは、1つの商品ページにプルダウンメニューがあり、複数の容量を選べる場合があるからだ。1TBのものだけを見たいのに、関係ないものまで表示されては邪魔だ。それに、プルダウンメニューがある出品は、たいてい割高なことが多い。
数日間と言ったものの、結果的に約1か月ほど傾向を見ていた。とある日、これまでの傾向から大きく外れ、かなり安い出品があったため、勢いで購入。
参考までに、ebayに出品されているXG6は、おおよそ商品価格が130ドル前後で、そこに追加で送料が20ドルほどかかるものが多い。
まあ1TBのNVMe SSDが150ドルという時点で、国内に流通している同容量のものより割安なのだが、今回はさらにお得に購入できた。
発送通知が届き、追跡サイトを眺めながら到着を待つ。ところでebayのGlobal Shipping Programだが、10回ほど利用した結果、個人的にはあまり好きではないという結論に至った。まあこの話はまた今度にでもするとしよう...
2週間ほどしてようやく品物が届いた。長い。これだからGlobal Shipping Programは...
製造日は2019/8/19。4か月程度なら消耗度もたかが知れているし、DRAMキャッシュもSamsungチップであり(ネットで画像検索をするとほぼNanyaのチップが載った画像しか出てこない)、どうやら当たり品を引いたようだ。
秋葉原でヒートシンクを買い、自作機に載せ、無事に認識された。
やはり使用時間も書き込み量も少なく、コンディションはよさそうだ。
さて、おまちかねのベンチマークを適当に回していく。
特段性能が高いわけではないが、価格を考えれば十分すぎるほどだ。
最後に、連続書き込み時の性能低下を見る。
ディスク全体が954GiBのため、おそらくディスク容量に対し10%ほどのSLCキャッシュが設定されているものと思われる。
さて、レビューと言えるのかはわからないが、おおよそ書くべきことは書いた...つもりだ。絶対的にいい買い物だったかと言われれば微妙だが、今後サーバーで使っていき、このSSDがどのようなExperienceをもたらしてくれるのか、とても楽しみだ。
Allied Telesis x510シリーズで光トランシーバーを使ったスタックをする方法(5.4.9-2.1)
x510といえば、リース落ちで安く手に入るL3SWとして、知っている方も多いと思う。
このスイッチはベンダーロックがなくどの光トランシーバーでも使えるが、スタックは別だ。スタックするためには一定の条件を満たした光トランシーバーを使わなければならない。
DACの場合幾分か条件が緩いようだが、それでもなおすべて使えるわけではない。
今回、ポート数が足りなくなってきた我が家にも、ついに本格的なスイッチであるx510-28GTXを導入した。もともと1台の予定だったが、諸事情あり2台導入することになったため、せっかくなのでスタックがしたい。私は宗教上の理由でDACは使いたくないため、当然光トランシーバーを使うことになるのだが、先述したように、こちらは条件が厳しい。
インターネットで調べると、ファームウェアのバージョンによって条件が異なるようだ。以前のバージョンのファームウェアではスタック用として利用できなかったDACなどが、アップデートしたらできるようになったりするらしい。また、エラーを出しているのは全ファームウェア共通でnetworkパッケージ内の/usr/bin/hslとのこと。
この記事の執筆時点で最新のファームウェアであるx510-5.4.9-2.1.relの場合、上記hslに加え、networkパッケージの/usr/lib/libpluggable.so.0.0.0と、/usr/bin/plugmanも関係しているようだ。
ともかく、5.4.9系では以下の条件のどちらかを満たせばスタック用の光トランシーバーとして利用できるようだ。
・ベンダー名がATから始まる
・ベンダー名がAVAGOから始まり、かつ製品名がAFBR-79EIDZから始まる
公式マニュアルを見ると、純正品の型番は10GBASE-SRの場合「AT-SP10SR」となっているため、Allied Telesisの光トランシーバーのベンダー名である「ATI」と、下の画像にある製品番号を持った光トランシーバーであれば、スタック用として使えそうだ。
http://www.allied-telesis.co.jp/support/list/switch/x510/rel/doc/613-001684_E.pdf
安く光トランシーバーを購入できるサイトとしてはfs.comや10Gtekが有名だが、fs.comは、注文フォームからカスタマイズした光トランシーバーのベンダー名および製品番号が反映されていない、との事例があるようだ。そのため今回は10Gtekに問い合わせ、事情を話し、ベンダー名と製品番号をカスタマイズしてもらえるかを聞いた。結果としてはどちらもカスタマイズは可能だが、動くかどうかは保証できないとのこと。当然のことなので了承し、10Gtekから2台分合計4つのカスタマイズされた光トランシーバーを購入した。
余談だが、10Gtek公式のウェブサイトから購入する場合、10GBASE-SRは10.35ドル、HPE互換品の場合は追加で5ドルも上乗せされ、15.35ドルもかかってしまう。送料は最低30ドルからで、300ドル以上で無料になる(30ドル分が引かれる)。
今回私はメールで問い合わせ、いわゆるGet a Quoteをしたわけだが、10.35ドルが9ドルになった。送料も15ドル~だった。
せっかくなので、我が家のDL380 Gen10用に買った631FLR-SFP28に使う10GBASE-SRも欲しい、型番は455883-B21だが、互換品はあるかと聞いたところ、なんとHPE互換品なのに上記と同じ9ドルしかかからなかった。
よってこれから買う方は、公式サイトから注文するのではなく、メールで問い合わせ、メールで注文を行えば、注文数にもよるがかなり節約できるかもしれない。
私の場合、SFP+8つ、OM3ケーブル4本を同時に注文したが、送料は15ドルのままだった。SFP/SFP+は10個ずつ入るプラスチック製のケースに入れられるため、届いた箱の大きさで15ドルだとすると、20つくらいまでは同時に注文しても15ドルのままで済むと思う。
さて、本題に戻ろう。
結論から言うと、10Gtekではカスタマイズがしっかりと反映されており、かつ無事にスタック用光トランシーバーとして利用できた。
Vendor及びDeviceでカスタマイズが反映されていることが確認できる。
スタック用として使えない光トランシーバーだと、x510にさした時点でOnly ATI qualified modules are supported in this port. Please remove.などと怒られたり、TypeがUnknownになったりするようだが、いずれも見受けられない。
その後、OM3ケーブルを接続すると、自動的にスタックのマスター機が決まり、もう片方は自動的に再起動する。
無事にスタックができた。わーい。
自宅にHPEのオンサイト保守を呼んだお話
自宅で使っているDL380 Gen10サーバーのファンを高性能ファンに交換したところ、微妙な製造上の寸法誤差が原因と思われる共振が発生するようになった。
使っていると「ぶーん」といういかにも共振を起こしている音がする。振動はHDDに悪いのは言うまでもなく、またサーバーを自室に置いているため単純にうるさいこともあり、HPE修理センターに電話し、標準保証にて交換を依頼した。
ところで、最近は電話窓口やメールサポートにおいて、外国人を採用している会社が多いようだ。HPEももれなくこれに当てはまり、サポート窓口は基本的に日本語ができる外国人が応対する。そのこと自体は全く気にならないのだが、いかんせんこちらが言っていることを完全に理解してくれないことが多い。
今回も「ファンゲージとファンの微妙な大きさの違いが原因で共振する」と言ったのだが、「本来使うべきファンとは違うものを使っている」と受け止められたようで、システムログの提供を求められた。違う、そうじゃない。
そのためもう一度電話をし、受付の方に1から事情を説明する。製造上の誤差が原因でファンが共振を起こしていること、振動するとHDDによくないためサーバーを使えないので早めに対応してほしいことを伝えた。
その後、受付の方からエンジニアの方と電話を代わり、再度同じことを説明する。説明すること自体は苦ではないので構わないが、問題は相手が理解してくれるかどうかということに尽きる。
幸い今回電話に出た方はしっかり理解してくれたようで、私に交換部品を送り自分で交換後、故障品を返送する手法か、エンジニアが私の家まで伺い、調べて問題があれば該当部分を交換するオンサイト保守か、どちらがいいかを聞かれた。今回はエンプラ機器の目玉の一つともいえるオンサイト保守を選んだ。
少し脱線するが、割とすんなり話が通ったので、標準保証を持っている方であれば、何かしらの理由で部品を新品に交換したいときは、適当な理由をつけ、自分で交換すると電話口で伝えれば、簡単に新品の部品を送ってもらえそうだ。もちろんそんなことはしないが。
話を戻そう。エンジニアの方から、6つのファンすべてに問題があるとは考えにくい、保守部品の在庫も少ないためとりあえずファンゲージと高性能ファン3つを送り、問題がありそうな部品を交換して様子を見るのはどうか、と提案された。極めて論理的であるし、断る理由もないので承諾する。
標準保証は最短で翌営業日対応のサービスレベルのため、翌日に訪問してもらうことになった。エンジニアの方との技術的な話が終わり、後程スケジュール担当の方から伺う日付と時間について連絡がいく、とのこと旨を伝えられ、電話を切る。
しばらくするとスケジュール担当の方から電話があり、調整中のためもう少し待ってほしいとのこと。いや、わざわざ丁寧に調整中であることの報告しなくても、決まった段階で電話してくれればいいのに。
無駄に丁寧だなーと感心しつつ、再度電話を待つ。数十分後、着信音にびっくりしつつ電話に出ると、年末年始でリソースが足りていないため、午前中に伺うことは難しい、14時半はどうか、と聞かれた。1日フリーであるしいつでも構わないのでそれで大丈夫、ただ保守部品を先に我が家に届けるとのことだったが、それは明日に間に合うのか?と聞き返す。
オンサイト保守ではどうやら、現地に先に交換部品を発送するようだ。現在すでに18時を回っているため、明日の14時半に間に合うのかどうか定かではない。
返答を聞いてびっくりした。なんと明日の朝9時までに届くらしい。早すぎる。不安点も解消されたので、よろしくお願いしますと伝え電話を切る。
最初に電話をしてからここまで約7時間。さすが対応が速い。
翌日、チャイムの音で目を覚ます。時計は8時20分を指している。どうやら保守部品の配達のようだ。
眠い目をこすりながら適当な服を着て、玄関の扉を開ける。ヒューレットパッカードさんからのお荷物です、と言われ、送り状にサインをする。運送業者は日通で、配達員の方いわく、朝の9時までに必着という指定がある荷物は、1か月に1つあるかないかくらいレアだそうだ。
受け取り後、眠いので再び寝る。
目を覚ますと時計は13時半をさしていた。適当に食事を済ませTwitterをしていると、14時22分に着信音が鳴る。いよいよ来たかとワクワクしながら玄関の扉を開ける。
立っていたのはスーツに身を包んだ男性の方で、エンジニアのお兄さんと呼ぶのに違和感のない感じだ。
サーバーの置いてある部屋へと案内し、症状を説明、再現する。案の定、サーバーの起動後まもなく共振が始まった。がたつきの大きい左側のファン2つを交換したところ、共振音がしなくなったため、とりあえずそれで様子を見ることになった。
その後、エンジニアのお兄さんが報告書を書き、今回やったことを口頭で説明後、私がそれにサインをする。報告書の控えをもらい、オンサイト保守終了だ。
オンサイト終わったー
— TLC💧 (@leaf_hobby) 2020年1月7日
ちゃんと報告書あるみたい() pic.twitter.com/ZetZ1RY5Ey
サーバーは基本データセンターなどの騒音が大きい場所で使われるため、今回のような案件はこれまでに皆無とのこと。まあ普通は気づかないよね。DCの本番環境で気づかないうちに共振しているのを想像するとぞっとするけど...
それと個人宅でDLの保守はこれまでに1回しかなかったらしい。私が2件目、やったね。
あとは共振が再発しないければいいのだが。