Allied Telesis x510シリーズで光トランシーバーを使ったスタックをする方法(5.4.9-2.1)
x510といえば、リース落ちで安く手に入るL3SWとして、知っている方も多いと思う。
このスイッチはベンダーロックがなくどの光トランシーバーでも使えるが、スタックは別だ。スタックするためには一定の条件を満たした光トランシーバーを使わなければならない。
DACの場合幾分か条件が緩いようだが、それでもなおすべて使えるわけではない。
今回、ポート数が足りなくなってきた我が家にも、ついに本格的なスイッチであるx510-28GTXを導入した。もともと1台の予定だったが、諸事情あり2台導入することになったため、せっかくなのでスタックがしたい。私は宗教上の理由でDACは使いたくないため、当然光トランシーバーを使うことになるのだが、先述したように、こちらは条件が厳しい。
インターネットで調べると、ファームウェアのバージョンによって条件が異なるようだ。以前のバージョンのファームウェアではスタック用として利用できなかったDACなどが、アップデートしたらできるようになったりするらしい。また、エラーを出しているのは全ファームウェア共通でnetworkパッケージ内の/usr/bin/hslとのこと。
この記事の執筆時点で最新のファームウェアであるx510-5.4.9-2.1.relの場合、上記hslに加え、networkパッケージの/usr/lib/libpluggable.so.0.0.0と、/usr/bin/plugmanも関係しているようだ。
ともかく、5.4.9系では以下の条件のどちらかを満たせばスタック用の光トランシーバーとして利用できるようだ。
・ベンダー名がATから始まる
・ベンダー名がAVAGOから始まり、かつ製品名がAFBR-79EIDZから始まる
公式マニュアルを見ると、純正品の型番は10GBASE-SRの場合「AT-SP10SR」となっているため、Allied Telesisの光トランシーバーのベンダー名である「ATI」と、下の画像にある製品番号を持った光トランシーバーであれば、スタック用として使えそうだ。
http://www.allied-telesis.co.jp/support/list/switch/x510/rel/doc/613-001684_E.pdf
安く光トランシーバーを購入できるサイトとしてはfs.comや10Gtekが有名だが、fs.comは、注文フォームからカスタマイズした光トランシーバーのベンダー名および製品番号が反映されていない、との事例があるようだ。そのため今回は10Gtekに問い合わせ、事情を話し、ベンダー名と製品番号をカスタマイズしてもらえるかを聞いた。結果としてはどちらもカスタマイズは可能だが、動くかどうかは保証できないとのこと。当然のことなので了承し、10Gtekから2台分合計4つのカスタマイズされた光トランシーバーを購入した。
余談だが、10Gtek公式のウェブサイトから購入する場合、10GBASE-SRは10.35ドル、HPE互換品の場合は追加で5ドルも上乗せされ、15.35ドルもかかってしまう。送料は最低30ドルからで、300ドル以上で無料になる(30ドル分が引かれる)。
今回私はメールで問い合わせ、いわゆるGet a Quoteをしたわけだが、10.35ドルが9ドルになった。送料も15ドル~だった。
せっかくなので、我が家のDL380 Gen10用に買った631FLR-SFP28に使う10GBASE-SRも欲しい、型番は455883-B21だが、互換品はあるかと聞いたところ、なんとHPE互換品なのに上記と同じ9ドルしかかからなかった。
よってこれから買う方は、公式サイトから注文するのではなく、メールで問い合わせ、メールで注文を行えば、注文数にもよるがかなり節約できるかもしれない。
私の場合、SFP+8つ、OM3ケーブル4本を同時に注文したが、送料は15ドルのままだった。SFP/SFP+は10個ずつ入るプラスチック製のケースに入れられるため、届いた箱の大きさで15ドルだとすると、20つくらいまでは同時に注文しても15ドルのままで済むと思う。
さて、本題に戻ろう。
結論から言うと、10Gtekではカスタマイズがしっかりと反映されており、かつ無事にスタック用光トランシーバーとして利用できた。
Vendor及びDeviceでカスタマイズが反映されていることが確認できる。
スタック用として使えない光トランシーバーだと、x510にさした時点でOnly ATI qualified modules are supported in this port. Please remove.などと怒られたり、TypeがUnknownになったりするようだが、いずれも見受けられない。
その後、OM3ケーブルを接続すると、自動的にスタックのマスター機が決まり、もう片方は自動的に再起動する。
無事にスタックができた。わーい。