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後悔しない購買をするための考え方

何かを買うとき、多くの人は考える。本当にこれでいいのか、本当に間違っていないか、後でやっぱりいらなかったとならないだろうか、など、何を考えるかは人それぞれだ。しかし、誰しもが共通して思うことは、「後悔したくない」であると私は思う。

後悔しない買い物をするにはどうしたらよいのか、私なりの考え方を、備忘録も兼ねて書き記していこうと思う。

 

まず、根幹となる考え方が「絶対的な指標」と「相対的な指標」だ。

絶対的な指標は1つだけで、買うためにかかる金額がいくらであるか、ということだ。これを「絶対的な消費金額」と呼ぶことにする。

一方、相対的な指標は3つある。

1つ目に、買おうとしているものが、それと全く同じもののと比べてどれくらい安いか、ということだ。例えば、A店にパソコンのパーツが10000円で売られているとして、B店には同じメーカーの同じ型番のものが8000円で売られているとすると、相対的にB店のほうが安いことになる。このような相対的な指標を、他との区別のために便宜上「同様品との相対性」と呼ぶことにする。

2つ目に、買おうとしているものとは違うが、ほぼ同じ性質を有しているものと比べて、どれくらい安いか、ということだ。先ほどのB店における8000円のパソコンパーツとは異なるメーカーのものだが、全く、あるいはほとんど同じ性能を持っている別のメーカーのパーツが6000円であるとすれば、相対的に6000円のパーツが安い。このような相対的な指標を「同等品との相対性」と呼ぶことにする。先ほどの「同様品との相対性」と似ているが、一文字違うので気を付けてほしい。

3つ目は、買おうとしているものが、その人にとってどれだけの付加的な価値があるか、ということだ。ブランド、シリーズ、色、デザインなど、人によって好みが変わる部分については、プラスにもなればマイナスにもなる。先ほどの6000円のパーツのメーカーが好みではない人には、8000円払っても高いほうのメーカーのものを買う価値がある、ということだ。これを「付加価値の相対性」と呼ぶことにする。

 

ところで、最後の「付加価値の相対性」だけ、指標ではあるものの、無限大に大きくもなれば小さくもなりうることに気が付いただろうか。最初の「絶対的な消費金額」は、絶対的な払うお金の金額であるため、言うまでもなく有限だ。次の「同様品との相対性」と、「同等品との相対性」も、比較対象がある以上、差は有限である。しかし、人によって好みが変わる「付加価値の相対性」は、好き嫌いによっていくらでもプラス、またはマイナスに働く。

 

以上の「絶対的な消費金額」、「同様品との相対性」、「同等品との相対性」、「付加価値の相対性」、「付加価値はいくらでも上下しうるということ」の5点を考慮しつつ読み進めてほしい。

 

ものを買うとき、考慮する順番としては、まず「絶対的な消費金額」が一番最初に来るだろう。貯金が1万円しかないのに、10万円のパソコンパーツを買うことはできないからだ。もっとも、お金を借りたり、ローンを組んだりして手が届くように図らうこともできるだろうが、話が紛らわしくなるうえに極めて限られた状況であるため、ここでは考慮しないこととする。

次に「付加価値の相対性」だ。安くても嫌いな色や、嫌いなブランドのものを買う人はいないと思う。

3番目に「同等品との相対性」が考慮されるだろう。同じくらいの品質、性能のものでもっと安いものはないか、それを次に考えるだろう。

そして「同様品との相対性」が4番目に来る。これと同じ型番ものは他のお店ではいくらで売られているのか、価格comなどを見て調べたことがある人が大半であると思う。

最後にもう一度「付加価値の相対性」が来る。好きなブランド、好きなメーカーであっても、本当にこのシリーズや、この色、このデザインでいいかどうか、買う前にもう一度悩む経験をしたことがある人は多いと思う。

いうまでもないが、これは一例だ。ずっとほしかったものであれば、金額よりも付加価値を最初に考えることはいくらでもあるし、10万円する高いパーツでも、本来定価が100万円するものであれば、絶対的な金額など考えずに、同様品との相対性のみを考慮してすぐに買う人もいると思う。

個人的には、この順番で考えると整理しやすい、というだけなので、読んでいるみなさんによって順番は各自並び替えてもらって構わない。

 

具体例を挙げよう。

新しいパソコンが欲しい、と考えた人がいるとする。まず「パソコン 新品」などと検索し、いろいろな製品がヒットする。そうすると、いろんな性能のものがあることに気がつき、その人は自分の用途であればどれくらい必要なのかを調べたとしよう。その時点で、買えない金額のものは除外される。つまり「絶対的な消費金額」が考慮されている。

そしてそれに基づき、必要な性能のパソコンを検索すると、いろんなメーカーのものが出てくる。その中からメーカーごとの特徴などを調べ、いくつかの候補に絞る。候補を絞る時点で、色やデザインなどの個人の好みが反映されるため、1回目の「付加価値の相対性」が考慮される。そして同じスペックであっても、メーカーごとの特徴の違いがあるため「同等品との相対性」が考慮されている。

さて、めでたくほしいモデルが決まったとしよう。次に行うのは、同じ型番でもっと安い販売店がないかを探すことだ。型番で調べたり、価格comなどで調べ、安いところを探す。「同様品との相対性」が考慮されているのだ。

最後に、購入ボタンを押す前にもう一度製品のスペックや外観を見て、納得したり、逆にやっぱりこっちのほうがいいかも、となったりする。2回目の「付加価値の相対性」の考慮だ。

 

だが現実には、選択肢が多かったり、どれにしようか迷い決めることができなかったりと、なかなか簡単ではない。1→2→3→2→3→2→3→4→5のように、何度も何度も比較検討を繰り返し、納得のいく答えを出している人が大半だろう。

中には深く考えない人もいるだろうが、無意識的に上のプロセスを踏んでいると思う。

結局、自分に必要な性能はどれくらいか、同じような製品がどれだけあるかを調べることにどれだけ時間をかけるかが、人によって大きく異なるポイントだろう。

 

私はかなり時間をかけるタイプだ。パーツ1つを買うのに、1か月悩むこともあるほどに。この記事を書きながら自分の中で考えをもう一度整理し、後悔しない買い物ができるようにいろいろと考えている。同じように悩んでいる人がいれば、少しでも考えを整理する手助けになればうれしい。