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FedExとUPS、それぞれの輸入時に適用される関税

個人輸入をする方にとって無視できないコストの一つに関税がある。

関税とは、言うまでもないが、海外から国内に安い商品を輸入する際、国内で製造される同じような商品が、海外のものとの価格差のために売れなくなってしまうことを防ぐためにかけられる税金だ。自国の産業を保護するための税金、と言い換えられる。

 

関税の計算方法は様々なサイトで紹介されているため、ここでは割愛させていただくが、主に一般税率と簡易税率がある。

一般税率は、輸入する品目ごとに税率が異なり、非常に多くの分類がある。どれだけ多いかは、財務省のホームぺージに公開されている輸入統計品目表を見ていただければわかるだろう。

すべての輸入品に対し一般税率を適用し、いちいち品目を確認していては、何万もの輸入品の通関をする手間が膨大なものとなってしまう。そこで、課税対象額が20万円以下の輸入品に対しては、「基本的に」簡易税率を適用する。簡易税率はいくつかの品目を除く7つの品目から構成されており、一般税率に比べずっとシンプルになっている。ここから簡易税率の体系を確認できる

「基本的に」といったのは、課税対象額が20万円以下の場合でも、一般税率を適用することができるからだ。つまり、課税対象額が20万1円以上の場合は一律で一般税率が適用され、20万円以下の場合は一般税率か簡易税率、どちらかを選ぶことができる。

 

ここで問題になってくるのが、海外通販をする際に使う国際宅配便によって、通関時の関税の計算が異なることだ。

※国際宅配便とは、FedExUPSのような、国をまたいで荷物を運んでくれる輸送業者のことを指す。ちなみに「郵便物」の扱いだけは国際宅配便とは異なる。詳しくは財務省のこのページに記載されている。

一般税率を適用すれば無税になるのに、わざわざ簡易税率を適用し、5%の関税がかかる場合がある。例えば電子部品に関しては、一般税率を適用すればほとんどが無税だ。

国際宅配便を利用し個人輸入する場合、通関も国際宅配便側でやってもらえるが、逆に言えば、自分で適用する税率を選べないということになる。よって、課税対象額が、簡易税率が適用されうる20万円の範囲内となる場合、20万円に近づけば近づくほど、一般税率を適用したほうが良いパターンが出てくる。例えば、課税対象額が20万円のPCパーツを輸入する場合、その5%は1万円にもなる。

 

そこで私は、アメリカから輸入する際に使われる代表的な国際宅配便、FedExUPSそれぞれに電話し、適用されるのが一般税率か簡易税率か、どちらなのかを問い合わせた。

FedExは基本的には簡易税率が適用されるが、通関チームが適宜判断するためわからない、とのことだった。

UPSは、電子部品の場合ほとんどが無税のため一般税率を適用している、とのことだった。

よって、電子部品の場合のみに限るが、UPSでは一般税率が適用されるため、関税はかからないことが分かった。

私の推測にはなるが、通関のエキスパートが通関作業を行うため、おそらくFedExでもUPSでも、簡易税率と一般税率、どちらが安く済むのかを比較したうえで適用しているのではないかと思う。FedExの場合、安さよりも速さを優先しているとの回答があり、真相は分からないものの、わざわざ高いほうを取ることはしないだろう。

 

したがって、電子部品を輸入する場合、UPSを使えばほぼ確定で関税はかからないだろう。

しかし関税がかからずとも、課税対象額に対し10%の消費税はかかるため、受け取り時に支払う金額が0になるわけではない。Amazon.comなどのように、注文時に関税と税金を徴収する場合は、荷物の受け取り時に追加で支払う必要はないが、すべてのサイトがそうとは限らないため、注意が必要だ。

なお、今回私が問い合わせた品目は「電子部品」のみとなるため、ご自身が輸入する品目については、適宜問い合わせて確認していただきたい。幸いFedExUPSはどちらも日本語が通じるコールセンターがあり、なおかつフリーダイヤルだ。