TLC’s Archives

日々の出来事を気ままに綴っていきます

PayPalの買い手保護制度で中国の詐欺業者と戦った話

11月の頭に、モバイルディスプレイを49.88ドルで、とある中国の通販サイトから購入した。

15.6インチでありノートPCと一緒に持ち運べ、広い作業空間が確保できるため、以前から購入してみたいと思ってはいたのだが、今回かなり価格の安いものを見つけ、半信半疑ながら、最悪PayPalの買い手保護制度を使って返金請求すればいいという軽い気持ちで購入した。

結論から言うと、紆余曲折あったが無事に返金された。どんなに怪しい業者でも、PayPal経由で支払いを行えば、問題が発生した際に確かに返金を受けられる。しかし、購入から返金まで丸々1ヶ月かかったことを考慮すると、行き着く結果が目に見えているなら購入しないに越したことはない、という結論に至った。時間と労力が無駄になるだけだからだ。

 

それでは詳しく話していこう。

ことの発端の11月3日、Twitterを眺めていたら、とあるツイートに目が留まった。とても安いモニターを見つけたが、これ本当に届くのか?といった内容だったと記憶している。どうせインチキくさい粗悪品だろうと思いつつリンクをクリック。15.6インチ、FHD、Type Cで給電するタイプのモバイルモニターが、なんと39.98ドルで売られているではないか。

以前、カナダのテック系YouTuberであるLinus氏の動画で、4K解像度ながらType C一本で動作するモバイルモニターのレビュー動画を見た時のことを思い出しながら、モニターとしてのスペックが劣っていたとしても、この値段なら試してみてもいいのではないだろうか、と、気づけば好奇心に似た感情が私の中にあった。

PayPalで決済できることがそれに拍車をかけ、何かあっても最悪買い手保護制度で返金を受ければいい、という安直な気持ちで、Rapid Shipping(お急ぎ便のようなもの)を選択し、送料を合わせて49.88ドルを決済した。

f:id:leaf_hobby:20191220095225p:plain

 

 

注文後、2日が経った頃(11/05)、またもやTwitterを眺めていると、サイトが閉鎖された!というツイートがあり、ああやっぱり詐欺だったかと思った。もともと想定していた事態だったため、特に慌てることもなくPayPalのサイトを開き、「問題を報告」から返金手続きを開始しようとした。しかし、「まずは売り手に連絡することでほとんどの場合解決できます」と記載されていたため、しっかり手順に沿ったという記録を残すためにも、注文確認メールに記載されているメールアドレスに「サイトが閉鎖されたようですがいつ発送されますか?」という趣旨のメールを英語で送る。

さらに2日経った(11/07)が、返信はない。そのため、サイトが消えた旨、売り手にメールを送っても返信がない旨、まだ発送されてない旨を、スクリーンショットなどを添えてPayPal側に報告する。ここで重要なのが、証拠をそろえておくことだ。今回であれば、アクセスできなくなったサイトのアドレスやエラー画面、注文確認メールなどがこれにあたる。

f:id:leaf_hobby:20191220100951p:plain

PayPalにおける問題報告には2段階ある。

まずは「問題報告」だ。これは、PayPalの監視下のもと、問題解決に向かって売り手とメッセージをやり取りする段階だ。PayPalサイトの問題解決センター(Resolution Center)内でメッセージのやり取りができ、PayPal側もこれを確認できる。

そして、それでも問題を解決できない場合には、2段階目である「クレームにエスカレーション」を行う。売り手とやり取りしてなお解決に至らない場合、クレームにエスカレーションすることで、PayPal側に、これまでの経過から売り手と買い手のどちらに非があるかを判断してもらう。たいていの場合、買い手に有利な判決が下されることが多いようだ。なお、決済から7日が経過しないとクレームへのエスカレーションはできない。

このあたりはPayPal規約ページからも確認できる。

上にあるスクリーンショットは、問題報告をした段階でPayPalから送られるものだ。下のほうに書いてあるように、問題報告から20日経ってもクレームにエスカレーションされない場合、ケースはクローズする。忘れないように気を付けていただきたい。

 

さて、これまでの時系列をまとめよう。

11/03 注文及び決済

11/05 サイト閉鎖を確認、売り手にメールを送る

11/07 メールに返信がないためPayPalより「問題報告」を行う

 

問題報告の際に、当然ながら売り手に対してメッセージを送るのだが、相変わらず応答がない。そのまま、決済から1週間が経ったため、無事クレームにエスカレーションする運びとなった。

f:id:leaf_hobby:20191220104018p:plain

クレームにエスカレーションされた場合、まずはPayPal側から売り手に対し、対応するために10日間が与えられる。PayPal側が売り手にメールで連絡を取り、対応を促す。

f:id:leaf_hobby:20191220104946p:plain

 

翌日、売り手から発送通知が来た。しかし、クレームにエスカレーションされるまで発送しないという時点で、発送されたことが事実なのか、そして事実だとしても荷物の中身が何なのか分かったものではない。

f:id:leaf_hobby:20191220105607p:plain

 

発送通知から2日後、追跡が可能になった。一応追跡番号は生きているようだが、他の人宛てのものを流用している可能性もあるため、楽観はできない。

f:id:leaf_hobby:20191220110113p:plain

さて、到着までやることもないため、追跡サイトで動向を追いながらひたすら待つ。私としては注文したものが届けば文句はないが、中身の確証が持てない。注文したものが届くかもしれないという期待が半分、変なものが入っていた場合、何が入っているのだろうという期待が半分という、そこそこわくわくした気分のまま、到着までの10日間を過ごすことになる。

余談だが、Twitterのフォロワーさんにも私と同じタイミングで注文をし、届かないためクレームを提出した方がいるのだが、売り手から発送されたものが私の手元に届くまでの間に、何人かはすでに返金を受けていた。そのため、全く同じようなケースだとしても、PayPal側の対応には差異があるものと思われる。

 

時系列を改めて整理しよう。

11/03 注文及び決済

11/05 サイト閉鎖を確認、売り手にメールを送る

11/07 メールに返信がないためPayPalより「問題報告」を行う

11/10 売り手から応答がないためクレームにエスカレーション

11/11 売り手から発送通知

11/21 荷物が到着する

 

発送から10日後の11/21に荷物が届くのだが、外出していたにもかかわらず「配送済み」になっていた。15.6インチのモバイルモニターが郵便受けに入るはずがないため、いよいよどんな怪しいものが来たのかという期待が最大に達する。

帰宅後、郵便受けに入っていた荷物を見る。明らかに小さい。例えるならば...たばこ1箱より3回りほど大きいサイズだ。そして軽い。小さい箱でも送ってきたのか?と思いながら開封。すると...

f:id:leaf_hobby:20191220111514j:plain

しらんがなwww

何これChromecastもどき?ってか目のアイコンきもっ

なかなか面白いものが届いたではないか。開封前の荷物の写真、開封時の写真、中身の写真などを忘れずに撮っておき、PayPalサイトの下部にあるお問い合わせから報告する。

f:id:leaf_hobby:20191220112236p:plain

ここで、当然ながら、クレームの理由は「商品未受領」から「届いた商品が説明と著しく異なる」に変更される。「届いた商品が説明と著しく異なる」場合、返金を受けるには、届いた商品を「買い手負担」のもとで返送する必要がある。悪質な業者の場合、買い手にわざと返送の手間を負わせることで諦めることを狙う、ということも考えられる。しかし、日本郵政のSAL便や船便を利用すれば、かなり格安に国際郵便を送ることができるため、返送負担よりも返金額のほうが大きい場合、諦めずに戦ってほしい。送料はここから計算できる。

 

f:id:leaf_hobby:20191220113216p:plain

ここからさらに、クレームにエスカレーションした際と同じように、売り手に10日間の対応期間が与えられるため、さらに待つ。

 

何かアクションがあるものと思っていたが、結局10日間売り手はノーアクションだったようで、無事に49.88ドルが返金された。

f:id:leaf_hobby:20191220114106p:plain



 

時系列を再度確認しよう。

時系列を改めて整理しよう。

11/03 注文及び決済

11/05 サイト閉鎖を確認、売り手にメールを送る

11/07 メールに返信がないためPayPalより「問題報告」を行う

11/10 売り手から応答がないためクレームにエスカレーション

11/11 売り手から発送通知

11/21 荷物が到着するも、全く関係ないものが届いたため、PayPalに報告

11/22 クレーム理由が更新される

12/02 売り手から応答がないため、私に有利な判決が下り、返金される

 

購入から返金まで、丸1か月かかった。確かに返金はされた。しかし、やはり1か月は長い。謎のChromecastもどきはいまだに手元にあるが、スマホの画面を大画面に映すという需要はないため、使う予定もない。あ、ほしい人いたら差し上げるので私のTwitter(@leaf_hobby)にDMでもくださいね。

先日見た記事によると、日本でもこの「AnyCast」が2380円発売されるらしい。中国のECサイト、AliExpressでは約300~400円なのだが...

 

やはり海外通販は自己責任である、ということを改めてよく思い知らされた。今回はPayPal経由だったから、そして私に有利な判決が下されたからいいものの、必ずしも返金される保証はどこにもない。ネットで簡単に、かつ安くほしいものが手に入る反面、やはり一定のリスクはつきものだ。

もっとも、ヤフオクラクマなどの「運営がまともに仕事をしない」国内のECサイトから買う場合、買い手保護制度もなければPayPalが使えるわけでもない。そのため、下手にそれらのECサイトを利用するのに比べたら、PayPalが利用できる海外通販のほうが個人的には安心だ。

 

ちなみに現在、筆者の私は、ebayで買ったものが発送されず、売り手に連絡をとっても返信がないという、新たなトラブルに遭遇している。ある程度評価がついているSellerから買ったはずだが、レビューをよく見ると、発送が遅い、連絡もないという悪い評価が全体の0.5%ほど見受けられる。Overallの評価だけでなく、一部の悪いレビューにも目を向けるべきなのかもしれない。

購入日は12/10、到着予定は12/24~1/2となっているが、メッセージに返信がなければ、発送される気配も全くない。ebayのGlobal Shipping Programは、平均して到着まで10日かかるため、今日が12/20なのを考慮した場合、すぐにでも発送してもらわなければ到着予定を超過する。その場合は私の負担なしで返送し、全額返金をしてもらうか、もしくは送料を全額返金してもらえるのだが、いずれにしても時間の無駄である。ebayでは何度も買い物をしたが、やはり何が起きるかわからないものだ。

 

追記

昨日突然FedExから配達予定のメールが届き、何かと思えばすでに発送はされていたものの発送通知がなされていなかったようだ。今のところ到着予定は12/25日中になっているが、ちょうどその日は朝から帰省のため受け取ることができない。全く...